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第3話「日常・出会い・疑惑」

side 刹那


 真一さんの戦闘が終わり、私は龍宮と寮へと戻っている所だ。
 先ほどの戦闘について考えながら……。

「うーん」
「どうしたんだい、刹那?」
「さっきの戦いについて考えていたんだ」
「ああ、そういう事か。でも、さっきのはあまり参考にならなそうだな。全力で戦っていなかったしな彼は……」
「やはり分かるか」
「まあね。握手した時に感じた力はあんなものじゃなかったからね。でもそんなことを考えていたわけじゃないんだろ?」
「ああ、あの戦闘で本当の実力が測れるわけじゃないのに……。何か他の意図があったんじゃないかと思ったんだ」
「あの学園長ならそういう事もあるかもしれないな。でも彼なら大抵な事は大丈夫だろう」

 私もそう思うが何か嫌な予感がする。
 何もなければいいが……。



side 真一


 一夜明けて次の日、今日は何事もなく授業は終わり放課後になった。
 昇降口を出て、駅に向かっていると後ろから声を掛けられた。

「真一先輩っ!こんにちはー」
「こんにちは、真一さん」

 声の主は昨日の集会で戦った愛衣ちゃんと高音さんだった。

「あ、こんにちは」
「先輩、今日はお暇ですか?」
「え、うん。まあ暇だけどさ」
「それじゃあ行きましょうか。私たちについて来てください」

 二人に連れられて駅の方向へと歩きだした。
 そうして数分歩くと麻帆良駅前の“STARBOOKS CAFE”に着いた。

「ここですわ」
「“STARBOOKS CAFE”? ここって魔法関係の店だったの?」
「違いますよ。先輩何言ってるんですか?」
「……いや、二人に誘われたから何か魔法関係のことで話があるのかと思ってさ」
「それもないとは言いませんが、私達だっていつでも魔法生徒として行動しているわけではありませんよ」
「そうですよ、お姉様の言う通りです! 昨日は結局ほとんどお話できませんでしたから、今日は二人で誘いに行ったのですよ」

 それぞれ飲み物を買って席に着くと、昨日は戦っただけだったので改めて自己紹介をし合う。
 自己紹介からの流れで連絡先を交換したり、世間話をしたり、更には戦闘技能などについて話した。
 戦闘技能についてはこんなところで話してもいいのか? という気もしたが誰も聞いてないだろうし大丈夫だろう。
 愛衣ちゃんには、そのうち修行を見てくださいって言われたが、魔法は専門外なんだよな。何教えればいいんだろ? 瞬動術か? 色々話した結果、とりあえずは近接戦闘を見ることになった。
 それから昨日貸した制服を返して貰い、二人は今日警備の日らしく店を出た所で別れた。

 そろそろ帰ろうと駅で電車を待っていると、軽く肩を叩かれた。

「今帰りなの?」
「あ、明日菜さん。そうですよ、今帰るとこです」
「お知り合いですかアスナさん?」
「あ、紹介するわね。この人はこのかの幼馴染で青山真一君よ」
「まぁ、貴方が噂の青山さんですか。初めまして、私アスナさんたちのクラスメイトの雪広あやかと申します。よろしくお願いしますわ」
「これはご丁寧に、青山真一です。こちらこそよろしくお願いします」

 雪広さんか、なんだか話し方に気品を感じるしお嬢様っぽい人だな。
 というか女子2−Aって皆こんなレベル高い子ばかりなのか? 今まで出会った2−Aの子ってみんな可愛いんだが……。
 こりゃウチのクラスの野郎どもも騒ぐわけだな。

「せっかくだし、一緒に帰りましょ。いんちょもいいわよね」
「かまいませんわ」

 そんな訳で三人で寮へと帰える事になった。寮への道程での会話で、雪広さんは本当にお嬢様だという事が分かった。さらには、世の“お嬢様”に対するステレオタイプな見方だが高飛車で他人を見下すような事もなく、誰にでも分け隔てなく接することもできる非常に好感の持てる人だと感じた。




 そうして転校してから3週間が経った。
 そこで、この3週間を軽く振り返ってみるとしよう。

 学校の方は直哉や三バカデルタフォース――神条、土帝、蒼髪――のおかげでなんとかクラスにもなじめた。
 放課後や休みは図書館探検部に顔を出したり、刹那と稽古したり、愛衣ちゃんと訓練――魔法は専門外なので主に戦術面について――をしたり、直哉や三バカと街に出たりしていた。
 また、直哉の勧めで始めたMMORPG(俺のゲームでの名前はシンという)で危ない所を助けてくれた「ちうさん」という人と(ゲーム内での話だが)よく会話するようになった。

 ちなみに初めて会った時の会話こんな感じだ。

『アホか!?初心者がこのエリアに入ってくるなんて死ぬ気か!!』
『うう、すみません。助かりました、ありがとうございます』
『ちっ、しゃーねーな。街まで送ってやるからついて来いよな』
『よろしくお願いします』

 といった感じで、この後も見かけるたびに声かけてくれたりして非常に助かってます。いつもちょっと怒ったような話し方だけど、本当は面倒見がよくて優しい人です。何故か俺以外のプレイヤーには媚びるような話し方をするんだけど、それにツッコンだら怒られてしまった。良く分からないが、ゲーム内ではそういうキャラで通ってるらしい。
 ちうさんは麻帆良の生徒だとは聞いたけどまだ会ったことはない。

 あと学園の警備のほうは、当番の日に一度入り込んだ低級の鬼を倒した位で、それ以外は平和なものだった。

 とまあこんな感じでなかなか充実した3週間だった。


 そうして今日は11月最終週の火曜日だ。
 魔法関係者の集会の日で、俺は今放課後暇つぶしをかねてに学園都市内を気ままに散歩しているところだった。
 誰か誘ってもよかったんだが偶にはいいだろうと、気ままに歩いていたら女子二人が猫に餌をやっているところに出くわした。まあ見た感じ一人はもう一人が餌やり終わるのを待ってる感じだけどな。
 優しんだなと思うと同時に、二人の容姿に違和感を覚える。この場所は中学・高校の寮のあるエリアなわけだが……一人はどう見ても小学生くらいの容貌で、もう一人は耳? とかがロボットみたいな娘という、よく分からない二人組だった。まあ二人の事はともかく、とりあえず猫は可愛いな、癒される……。可愛いは正義とはこのことだな。
 そうして、二人の方―ー正確にはロボット耳の娘が世話をしている猫の事を見ていると、もう一人から声を掛けられた。

「おい、そこのお前何を見ている。私らは見世物じゃないぞ」
「あ、そういうつもりじゃなかったんです。気を悪くしたんなら謝ります……」
「…………フン、なら何か用か?」
「用があるわけじゃなくて、猫可愛いなって思ってただけだよ」

 いきなり声を掛けられるとは思わなかったな。それに、この小さい娘の方はなんか高圧的だな。

「あの、よろしければ(餌を)あげてみますか?」
「えっ、いいの!?ぜひやらせてください。あ、俺は青山真一っていいます」
「私は絡繰茶々丸です。よろしくお願いします。こちらはマスターの……」
「エヴァンジェリンだ」
「茶々丸さんとエヴァンジェリンさんね、よろしく」

 マスターってなんだろ? そういう遊びか何かだろうか? んー、エヴァンジェリンって何処かで聞いたことある名前のような気が……。ま、気にしても仕方ないし餌やろうか。

「ん、終わったな。帰るぞ茶々丸」
「はい、マスター。それでは失礼します」
「はいよ、また来てもいいかな?」
「私が飼っているわけではありませんから、いつでもどうぞ」
「ありがと、それじゃあまたね」

 バイバイと手を振り、俺も移動しようと彼女たちと逆方向へと歩き出したところで声が掛かった。

「……じゃあな。――――“神鳴流剣士”青山真一」
「————っ!?」

 “神鳴流剣士”――その言葉に慌てて振り返ったが、もうそこには誰もいなくなっていた……。何者なんだあの娘は?

 近くを探してみたが二人は見つからなかったので、集会の会場へと向かった。
 今回の集会もタカミチさんが司会を務め、何の問題も無く終了した。集会の内容を要約すると今週の金曜、つまり明日は20時から24時まで、年に二回の大停電だから暗闇に紛れてくる侵入者がいるかもしれないから注意しろというものだった。ちなみに大停電というのは年2回ある学園都市全体のメンテナンスのことらしい。

 でもこの学園都市に侵入する奴がいるんだろうか?



side 茶々丸


 マスターと家へと戻ってきました。
 でも青山さんが神鳴流剣士だと知っているのをバラしてしまって良かったのでしょうか?
 一人で悩んでいても仕方ありませんし、マスターに聞いてみましょう。

「あのようなことを言ってしまって、よろしかったのですか?」
「いいんだよ。これで奴は私の事を調べるなりして、私が『吸血鬼の真祖ハイ・デイライトウォーカー』だということに辿り着くはずだ」
「?」
「よくわからないって顔をしているな。奴にはな『吸血鬼の真祖ハイ・デイライトウォーカー』である私に聞きたいことがあるはずだからな。それを餌に誘き出して奴の力をみてやるのさ。フハハハハハハッ!!」

 ああ……こんなに楽しそうなマスターは初めてです。
 これは記録しなければなりません。

「ジー(録画中)」
「所で茶々丸、私の魔力を抑えこんでいる原因はわかったのか?」
「はい、予想通りサウザンドマスターのかけた『登校の呪い』の他に学園全体に張り巡らされている『結界』がありました。これは大量の電力を消費して維持しているようです」
「そうか、よくやったぞ茶々丸。しかし、魔法使いが電気に頼るとは盲点だったな。ハイテクというやつか?」
「私も一応そのハイテクですが……」
「……まあいい、おかげで満月を待たずして奴で遊べるわけだな。実行は今週末の大停電だ。フフ、フハハハハハ!!」
「ジー(録画中)」

 ……マスターが楽しそうでなによりです。
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ダメだ、愛衣が可愛すぎて俺のはち切れんばかりの(ry

というかちうっちwwwむっちゃLV高いんだろうなwwww

俺は直接会ってその場でフラグ立てちゃうからなぁ。段階を踏むってことを覚えなくちゃならんwでも「作風です」っていうありがたいお言葉もあるし……(何。

Re: タイトルなし

愛衣可愛いですよね。あの可愛さを少しでも伝えられたのなら良かったです。

千雨は高レベルプレイヤーですよ。他のプレイヤーからも一目置かれてますww

まあ、その辺は「作風です」キリッ
でも、ありですよ。原作もそういう部分ありますからね。私はそういうのも好きですよ。
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小説家になろうでも活動中のアインです。趣味で書いた小説をまったり載せていきます。

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