FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第2話「初登校と力試し」

side 真一


 一夜明けて次の日、俺はルームメイトの春日直哉――直哉と登校していた。
 俺は職員室に行かねばならないので少し早めに出たため、俺達は麻帆良の朝の名物ともいえるらしい通学ラッシュには巻き込まれていない。

「此処が職員室だよ」
「ああ、案内ありがとな」
「いいってことよ。それじゃまたあとでな」

 直哉は俺に手を振りながら教室へと向かった。
 さて、俺も行きますかね。最初が肝心と思い、気を引き締めて職員室の扉をノックして入室した。

「失礼します。転校してきた青山真一ですけど、2-Aの担任の先生はいらっしゃいますか?」
「来たわね真一。こっちよ」
「え……刀子さん!?」

声をかけてきた人は俺の剣の師の一人でもある葛葉刀子さんだった。

「久しぶりね。でも今はあなたの担任だから学校では先生と呼びなさい」
「ええっ!!刀子さ……先生が担任だったんですか?」
「そうだけど、同室の春日からは聞いてないのかしら?」
「聞いてないですよ。それは明日のお楽しみだとか言われて教えてくれませんでしたよ」
「まあそれはいいとするか。真一、明日の放課後23時に魔法関係者の集会がある。それにお前も参加してもらうぞ」

 あまりに普通に魔法関係の話をし始めたので、少し慌てながらヒソヒソと小声で話す。

「って、魔法とか普通に言っちゃって大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。今周りにいるのは魔法先生だけだし、認識阻害魔法も使ってある」

 刀子さんはそう言って隣の席の男性を指差した。
 どうやらその人が認識阻害魔法を使っているらしい。

「神多羅木だ。よろしくな青山」

 隣の席の男性はそう名乗った。
 神多羅木先生はオールバックの黒髪で髭を生やし、サングラスをかけ、黒スーツという非常にシブいお方だ。

「神多羅木先生ですか。よろしくお願いします」
「自己紹介も済んだな。さっき話した集会で今のお前の力を見せてもらうからそのつもりでいろ」
「わかりました。でもまさか刀子先生と戦うんですか?」
「いや私ではないな。魔法生徒の主従と戦ってもらうことになっている」
「主従…魔法使いと魔法使いの従者ミニステル・マギですか」
「ほう、意外と詳しいな」
「まあ、何度か西洋魔術師と戦ったこともありますからね」
「ふむ、お前がどれだけ成長したのか楽しみだな」
「む、葛葉そろそろ時間だぞ」
「あら、本当ね。それじゃ真一教室に行くわよ」
「わかりました」


 それから教室に行って、ホームルームでお決まりの自己紹介と質問タイムとなったわけだが割愛する。
 あまりの騒々しさに刀子さんのこめかみがぴくぴくしていたように見えたがまあ気のせいだろう。
 昼休みには校内を案内してもらった。
 あんまりひどい成績とると母さんに殺されるから心配していたんだが、1日授業を受けてみた感じどうやら授業にはついていけそうだったので一安心だ。

 そして放課後、昇降口を出ると人だかりができていた。
 その中に直哉を発見! さて何があったか聞いてみるとしますか。

「何かあったのか?」
「真一か。誰か待ってるのか女子校の子が来てるんだよ。しかも本校の2-Aの子なんだよ」
「へえ、この学校に彼氏とか友達でもいるのかな? 俺も見てみるかな」

 まずいことになった。
 あれは間違いなくこのちゃんだ。あとハルナさんもいる。
 落ち着け落ち着くんだ俺、たぶん昨日言ってた部活に誘いに来たんだ。
 ここをどう切り抜けようか。
 普通に出ていくのはやばいだろうな。

 とか思っていたら制服に入れていた携帯が鳴り出した。着信音が聞こえたのか、このちゃんと目が合い「しんちゃーん」と手を振ってきた。すると周りの男子達の視線が突き刺さり、直哉は全てを悟った顔で「ご愁傷様」と肩を叩いてきた。
 ああ、数分前の俺に「(マナーモードを)切るなーっ!!!」と斬岩剣をぶちかましたい気分だぜ。
 周りの視線が痛かったが何とかこのちゃん達の所にたどり着いた。

「とりあえず行こっか」

 三人で歩き始めると後ろから、

『あいつ誰だ』
『2-Aの転校生だよ』
『手早すぎだろ!!』
『明日は2-A裁判だな』

 とか聞こえてきた気がしたが、たぶん気のせいだろう(現実逃避)。溜息を吐いてこのちゃんを見ると「どしたん?」と首を傾げてた。ホント可愛い。その一方でハルナさんはニヤニヤこっちを見ていた。この顔は絶対確信犯だなこの野郎!


 二人に連れられ昨日とは違い図書館内部に入るみたいだ。
 中には昨日のパーティーにも来ていた宮崎さんと綾瀬さんがいた。

「こ、こんにちは」
「こんにちはです」
「こんにちはー。とりあえずついて来たんだけど、皆は何部なの?」
「よくぞ来てくれたね真一君。私達は――」
「図書館探検部やよ」
「このかー、私のセリフー」
「図書館探検部??」
「私が説明するです。図書館探検部はですね、図書館島と呼ばれるくらい広大な敷地に作られた図書館の半ば人外魔境と化した深部を調査する部なのです」
「今日は誰でも入れる部分を私達で案内しますよ」

 初めは探検? 人外魔境? ただ広い図書館じゃないの? って思ったけど、案内されてるうちに納得できた。

 例えば、図書館の名物らしい北端大絶壁というのがある。それは絶壁という名の巨大な本棚だった。しかも何故か上から水が流れて滝になっていた。うん、マジで意味がわからん。本棚に滝って、どうでもいいが滝の裏にある本とか読む奴いるんだろうか? 何の迷宮だここは!? いつかこの迷宮に挑戦する日が来るんだろうか?

「これで終わりやよ」

 案内されたのは、北端絶壁以外にも謎満載でツッコミどころの有り過ぎる場所ばかりだったが驚いてるうちに図書館案内は終わったらしい。
 今まで誰もおかしいと思わなかったのだろうか? それくらい不思議な場所だった。

「今度は一緒に探検するです」
「ええなーそれ、約束やでしんちゃん」
「はいよ、了解」

 図書館島を出て5人で帰路につき、女子寮の前で解散となり俺も帰ろうとしたところで声をかけられた。

「しんちゃん、ちょっとええか?」
「ん、どうした」
「あんな、せっ…ううん、やっぱやめとくわー」
「?そう、それじゃあ話したくなったらでいいよ」
「うん、ありがとなー」

 そうしてその日は別れた。


「ただいまー」
「お帰りー、もうすぐできるから待ってて」
「悪い、手伝うよ」
「いいって、いいって。もう趣味みたいなもんだからさ」
「そうか?じゃあ食器洗いくらいはやるよ」
「おう。よろしくな」

 料理を直哉にまかせテレビを見ながらくつろいでいるとプライベート用ではなく仕事用の携帯が震えた。それは刹那からのメールだった。

『こんばんは。明日、真一さんの剣を見れるのが楽しみです。あと警備の仕事で一緒になれたらよろしくお願いします。』

 これくらいならプライベート用でも大丈夫だろと苦笑しながら返信した。
 そうして転校初日が終わったのだった。あ、夕食は大変美味しかったです。



 次の日、学校では2-A裁判にかけられたり、3年のゴツイ先輩にからまれ返り討ちにしたりしたが概ね平和だった。

 あっという間に放課後になり、22時過ぎに刹那との待ち合わせ場所に向かう。待ち合わせ場所に着くと刹那の他にもう一人ギターケースを持った女の子がいた。

「刹那っ、お待たせ」
「こんばんは、真一さん」
「ところで隣の彼女は?」
「初めましてだね。私は龍宮真名。刹那のルームメイトで仕事仲間といったところかな。よろしく」
「神鳴流剣士、青山真一だ。こちらこそよろしくな」

 手を差し出されたので握手した。それだけで彼女が内に秘めた強さがわかった。でも、それは相手にも同様だったみたいだった。

「強いなあなたは。正直戦いたくない相手だね。戦場で敵にならないことを祈ろう」
「同感だな。」
「それじゃあ行きましょうか」



 集会の会場の広場に着くともうほとんどの魔法関係者が集まっていて、程なくして爺さんが前にでた。

「フォフォ、それじゃ始めるぞい」

 それだけ言ってすぐに爺さんは退いた。進行はどうやらタカミチさんに丸投げらしい。そして集会はつつがなく進み俺の名前が呼ばれ前にでた。

「神鳴流剣士、青山真一です。よろしくお願いします」
「真一君は今回ワシが呼んだわけじゃが、サムライマスターの弟子のその実力を見てみたいという声が多数あっての、そこでエキシビジョンマッチをやって貰うことなったのじゃ」
「それじゃ、真一君、高音君、佐倉君は準備を」
「「「はいっ!」」」


 試合を行う3人と爺さんだけが残り、他の人達は四方に散らばり障壁を張り始めた。

「審判はワシじゃ。勝敗は戦闘不能になるか、ワシが危険じゃと判断したら止めるからそのつもりでの。それでは試合開始じゃ」

 俺の麻帆良での初戦闘が始まった。


「青山さんあなたの実力見せてもらいますわよ。先手必勝です、愛衣。『影よウンブラエ』行きなさいっ!!」
「わかりましたお姉様。メイプル・ネイプル・アラモード ものみな焼き尽くす浄化の炎、破壊の主にして再生の徴よ」

 佐倉さんは詠唱を開始し、俺には高音さんの17体の影の使い魔が一斉に襲い掛かってきた。

 ――だが、遅いっ!
 俺は愛刀の野太刀『朝霧』抜き放ち迎撃した。

「神鳴流奥義 百烈桜華斬!!! ハァーーーーっ!!」

 舞い散る桜吹雪のような無数の気の斬撃で、全ての使い魔を斬り裂く。

「なっ、私の使い魔が一気に!?」
「我が手に宿りて、敵を喰らえ『紅き焔フラグランティア・ルビカンス』」

 お次は攻撃魔法か、でもこの威力ならこれで!

「神鳴流奥義 雷鳴剣!!!」

 その名の通り雷を剣へと落とし、雷撃を纏う斬撃が『紅き焔フラグランティア・ルビカンス』を押し切った。

「きゃっ、ならアデア……」

 そして、すぐさま瞬動を使い佐倉さんの後ろに回り込み、手刀で首筋を打ち意識を刈り取った。

「ッ……」
「愛衣っ!! 如何やら少し甘く見ていたようですね。――操影術近接戦闘最強奥義!! 『黒衣の夜想曲ノクトウルナ・ニグレーディニス』さらに『百の影槍ケントゥム・ランケアエ・ウンプラエ』」

 高音さんは巨大な影の使い魔を背後に背負い、無数の影の槍を放ってきた。
 俺はその影の槍を掻い潜り、接近し袈裟に切りかかる。

「はっ!」
「黒衣の盾」
「ちっ、固いな」

 影の盾によって斬撃を防がれ、体勢を整えるために間合いを取る。

「フフフフ、この最強モードに生半可な技は通用しませんよ。今度はこちらの番です!! はぁっ!!」

 影の魔法力を纏った渾身の一撃が迫るが、その一撃を敢えて避けずに迎え撃った。

「神鳴流奥義 桜楼月華!!!」

 掌に気を集束させ、攻撃を受け止めると同時に集束させた気を放出する。桜楼月華の波動は影の使い魔ごと高音さんを吹き飛ばした。

「勝負ありじゃ。この試合真一君の勝ちじゃ」

 よし、まあこんなもんだろ。
 でも全力じゃないとはいえ桜楼月華はやりすぎだったかな。高音さんの様子が気になり、彼女が吹き飛んだ方を見る。

 ――え……何で裸?

「な、ななな……」
「んんっ、試合は?って、先輩見ちゃダメです。お姉様は気絶しちゃうと……」
「脱げちゃうの?」
「はい」

 気が付いた佐倉さんが素早く近づいてきて俺に目隠しした。それでも数秒間高音さんの裸を見てしまい、男の性か忘れないうちにすぐに脳内フォルダに保管してしまっていた。

 そして俺はもう一つ問題があることに気付いてしまった。それは俺と佐倉さんは身長差があるため、佐倉さんは背伸びして抱きつくようにして目隠しをしている。
 つまり、何が言いたいかというと背中に胸が当たっているのだ。佐倉さんの胸が……。佐倉さんが気付いたら気まずくなりそうだから、なごり惜しいがなんとか離れてもらおう。

「佐倉さん。目瞑ってるから俺のブレザー着せてあげて」

 そう言ってブレザーを脱いで佐倉さんに渡した。

「もういいですよ」

 目を開けるともう爺さんもいなくなっていて俺達3人だけで、ギャラリーももう解散したらしく気配がなかった。

「う……、愛衣それに真一君。私は負けたのですね」
「そうです、お姉様。私達の負けです」
「そうですか。流石ですね真一君。んん、あら、これはブレザー……」

 高音さんは俺のブレザーを着てるのに気付いたらしい。

「はぅ…………せっ、責任取ってくださ―――いっ」

 高音さんは羞恥のあまり混乱してしまったのか、何やら凄い爆弾発言を残し、脱兎の如く走り去って行った。

「高音さ―――ん!?」「お姉様―――!?」
「すみません、私はお姉様を追いますので。制服は明日にでも返しに行きますね真一先輩っ!それから私のことは愛衣でいいですよ。では失礼します」

 そう言い残して佐倉さん、もとい愛衣ちゃんは去って行く。

 何か最後はグダグダだったけど、取り敢えず戦闘では認めて貰えてたらいいんだけどな。そう思いながら帰路に着いた。



side ???


「フォフォ、どうじゃったかな?」
「フン、面白いものが見れるというから行ったが、時間の無駄だったな」
「そうかの」
「じゃあな、じじぃ」

 あの男全然本気でやっていなかったな。
 一対二で相手を傷つけずに倒すあの技量……
 格下相手とはいえ一瞬で攻撃を見切り対処する戦闘考察力……
 それに加えて使ってはいなかったがあの魔力……
 『紅き翼』のサムライマスター近衛詠春の弟子であり、5年前のヤツと対峙した数少ない生存者……

 ――青山真一か……少しは楽しめそうだな。

「フ・・アハハハハハハハッ、青山真一お前は私自ら遊んでやるぞ」
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

PV
来客数
プロフィール

アイン

Author:アイン
小説家になろうでも活動中のアインです。趣味で書いた小説をまったり載せていきます。

よろしくお願いします。

最新記事
カテゴリ

openclose

フリーエリア
「創刻のアテリアル」応援中!
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
検索フォーム
最新トラックバック
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。