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第13話「仰せのままに、我が姫君」

side ネギ


 この春休みは鳴滝姉妹に学園案内してもらったり、いいんちょさんの家へ家庭訪問したりと色々ありました。
 春休みも今日で最終日——明日からはいよいよ新学期です。

「おまたせネギ君、目玉焼きー♥ イギリス風ブレックファストやえ」
「いただきます……うん、美味しいです! このかさん」
「モグモグ、いっふぇひまーふ」
「ホントー、ネギ君?やー、うれしーわー。アスナはいつも食べたらすぐ出かけちゃうから」
「悪かったわね」
「いえ、ホントにおいしいです。このかさん、素敵なお嫁さんになれますねー」
「もう♥ ネギ君てば」

 照れ隠しなのかな? ツッコミが時々痛いです、このかさん。
 カナヅチ何処から出したんですか?


 それから、洗濯、掃除とこのかさんのお手伝いをしました。

 掃除に洗濯、お料理も上手だしこのかさんは優しくていいなー♥
 ツッコミが時々ハードすぎるけど……
 うーん、怪力でガサツなアスナさんとは大違いだ。

「ただいまー、ちょっとネギネギ!」
「わああっ、ゴメンなさい」
「何あわててんのよ?」
「い、いえ別にっ!ど、どうかしたんですか?」

 アスナさんは帰宅すると直ぐさまボクに近づいて来て、ヒソヒソと話し始めた。

「これよ、これ! イギリスからのエアメール! 魔法学校からとか書いてあるよ。バレたらどうすんのよ、無用心ねー」
「あ、ホントだ」

『久しぶりネギ♥ 元気にしてる?』
「わあーお姉ちゃんからだ」
「わっ、何コレ! スゴッ!さすが魔法使いねー」
『ちゃんと先生になれたのね、おめでとう♥ でもこれからが本番だから、気を抜かずに頑張ってね』

 ネカネお姉ちゃんに褒められちゃった。
 嬉しいなー、エヘヘ。

『それと……ふふっ、ちょっと気が早いけど、あなたのパートナーは見つかったかしら? 魔法使いとパートナーは惹かれあうものだから、もうあなたの身近にいるかも知れないわね。フフッ、修行の期間中に素敵なパートナーが見つかることを祈ってるわ♥』
「パートナー?」
「パートナーかあ〜。やだな、お姉ちゃん。僕にはまだ早いよー」
「ちょっとぉー、何よねぎ、パートナーって……恋人のコト? ガキのくせに生意気ねー」
「えっ、いえ違いますよ。僕たち魔法使いの世界に伝わる古いお伽話で……世界を救う一人の偉大な魔法使いと、それを守り助けた一人の勇敢な戦士の話があるんです。そのお話にならって今でも社会に出て活躍する魔法使いには、それをサポートする相棒『魔法使いの従者ミニステル・マギ』と呼ばれるパートナーがいるのがいいとされます。特にマギステル・マギになるんだったら、パートナーの一人もいないと恰好つかないんですよー」
「へー……パートナーねー。それって、やっぱり女の子? てゆーか異性なの?」
「はい、やっぱり男の魔法使いだとキレイな女の人、女の魔法使いだと恰好いい男の人がいいですよねー。で、今だと大体そのパートナーと結婚しちゃう人が多いんですけどね」
「じゃ、やっぱ恋人みたいなもんじゃんー」
「へー……ネギ君、実は恋人探しに日本に来たん? じゃあ、ウチのクラスの女の子だけでも30人やからよりどりみどりやな♥」
「い、いえ、だから違うんですって……」

 あれ、アスナさんの声じゃないよーな……

「?」
「わーっ! このかさん!?」
「木乃香!? いっ、いつから聞いて……!?」
「途中からやけど、何の手紙なん、それ?」
「何でもないですよ。何でもないですよぅ」
「みんなー、ネギくん恋人探しに日本来たらしいえー♥」
「違います。本当に先生やるために来たんですよーっ!」
「スマンスマン、冗談やネギ君。アスナ、おじいちゃんがまた呼んどるから行ってくるわー」
「えー、またあの話?」
「せやー」
「夕方には戻って来るのよね?」
「大丈夫やえ。しんちゃんを夕食に招待してるんやし、ちゃんと戻って来るえ。したら行ってくるなー」

「フー、でも驚いた」
「バレたかと思いましたよ」

 このかさんが出ていき、僕は少し安心してドアを閉めた。
 だけどこの時、二人の小悪魔に話を聞かれているとは全く気付いていなかったんだ。



side out


『ネギがパートナーを探すために日本へと来た』と盗み聞いた鳴滝姉妹は、すぐに行動を開始した。

「たた、大変ですー」
「大ニュースー!ネギ先生は日本にパートナー探しに来たらしーよーっ!」
「な、何ですって!?」
「ネギ先生がパートナーを探してる!?」
「パートナーって恋人のこと?」
「結婚相手でしょー♥」
「結婚相手探すって何か、映画とかみたいだねー」
「これは噂だけど、ネギ先生は実は小国の王子で正体を隠してるらしいよー」
「えーっ! じゃあ玉の輿!!」
「おおーっ♥」
「ネギ君のパートナーは舞踏会で探すんだってー」
「おー、さすが王子ー」
「ネギ君はパートタイマーが好きみたいよ」
「ネギ先生がパーになったって」
『ネギ先生をGETできればお姫様だよー」

このように真偽不詳のまま、噂は虚実混ざって15分で領内を駆け巡った。



side 真一


俺は今エヴァさんの家へと来ている。
朝からの別荘での訓練を終えて、茶々丸さんがお茶を入れてくれるのを待っている所だ。

「別荘というのは、ダイオラマ魔法球内のことですよ」
「お前は誰に説明してるんだ」
「いやあ、何故か言わなきゃいけない気がして……」
「マスター、真一さん、お茶が入りました。どうぞ」
「ありがとう、茶々丸さん」

最近ちょっとした変化があった。
それは、どういう心境の変化かわからないけれど、茶々丸さんが俺の事を名前で呼ぶようになったことだ。
加えて、エヴァンジェリンさんがちょっと顔を赤くしてそっぽを向きながら

「私の事をエヴァと呼んでもいいぞ」

と言われたので、エヴァさんと呼ぶようになった。
少し距離が縮まった気がして嬉しい変化だった。

「オ前、最近調子イイジャネェーカ」
「チャチャゼロ達のおかげで、戦闘時の魔力運用にも大分慣れたからな」
「ソウダナ……最初ニ比ベレバマシニナッタナ」
「はい、素晴らしい上達だと思います」
「私の弟子なのだから、これ位は当然だ! ……まあ、確かにうまくはなってるがな」
「御主人ハ素直ジャネーナ」
「なっ!? チャチャゼロ、変なこと言うと魔力供給止めるぞ!」
「慌テルノハ本当ダト、認メルヨーナモンダゼ」
「慌てるマスターも新鮮です(ジー)」

初めて会ったときはこんな風に話せるようになるとは思わなかったけど、最近はこんな風に笑い合えるようになった。
こんな日常がずっと続けばいいんだけどな……。



side 木乃香


 イヤやなー。またお見合いの写真とらなあかんのやけど、正直イヤや。
 はぁ……しんちゃん今何してるやろ? 逢いたいなー……うん、電話してみよ……

prrrrr prrrrr
『もしもし、どしたの木乃香ちゃん』
「用事あったわけやないんやけど、ちょっとしんちゃんの声聞きたいと思っただけなんやけど……」
『うーん……何か俺に隠してない?』
「そんなことあらへんよ~」
『いや絶対何かあるでしょ? いつもなら声聞きたいなんて言わないでしょ。それに今日の夜は一緒にご飯食べる約束してるしさ』
「…………」
『今何処にいる?』
「……中等部の校舎やけど」
『今から、そっち行くよ。待ってて』
「え、しんちゃ……」

 切れちゃった……しんちゃんには隠し事できんなー。
 お見合い写真撮るなんて、しんちゃんに知られたくなかったんやけど……
 しんちゃんが来てくれるって聞いただけで、嬉しなってる自分もおるんや。
 昔から助けてくれるけど、ウチのことどう思っとるんやろ?

 とりあえず、しんちゃん来るんやし此処から逃げんとなー。
 黒服さんたちゴメンなー。



side ネギ


 はー、さっきは危なかったなー。
 僕が魔法使いだってことがバレたら、連れ戻されるのは確実で下手すると、オコジョにしちゃうぞって校長おじいちゃん言ってたもんな。バレないように注意しないとね。よし、パートナー探しのことはしばらく忘れよう。

 ――まずは、明日からの学校に集中だ!

『ネギ先生~~っ!!』
「はいはい……え?」
「ぜひとも私をパートナーに~~っ!!」
「私も私もネギ王子~♥」
「わあああ~っ!?」
「パートナー探してるんだって!?」
「それって恋人なの!? 結婚相手なのー!?」
「あの……舞踏会はいつ……?」
「なっ、何でみんな知ってるんですかーっ!!」

 うわあああ~!?
 逃げなきゃ!?

「先生、王子様って本当!?」
「いつも持ってる変な棒は王家の証とか〜」
「お妃にしてええ~ん♥」
「何の話ですかぁっ!?」
「あっ、逃げたぞ! 追えーっ!!」
「うわーん、やばいよーっ」

 あの角を曲がったら空に逃げよう。

「ネギ王子ー!!」
「———あれ?」
「いないよー」
「何処行った!?」
「探すのよーっ」

 うわああーん。
 どうしよう……何か、変な風に伝わってるし……
 ど、どっかに隠れないとっ……とりあえず学園エリアに逃げよう。



side 真一


 このちゃんの声に違和感を感じた俺は空を駆けて中等部の校舎近くに到達していた。
 切羽詰まった感じではなかったけど、何か気になったんだよなー。

「ありゃ? しんちゃん? 早かったなー。近くにいたん?」
「まあ、そんなとこ……」

 っ!? 着物!?
 やばいこのちゃんの着物姿可愛い過ぎるぞ。
 何処かのお姫さまだって言われても反論できんな……

「着物スゴイ似合ってるよ。でも何で着物? 今日やっぱり何かあったの?」
「ありがとなー、嬉しいえ」

『木乃香さま—!?』
『どこですかー』

「ん? あれって確か……」
「あっ、アカン。しんちゃん、ウチ逃げな……!! ウチを連れて逃げてくれん?」
「———ふふっ……仰せのままに、我が姫君」
「お願いやえ」

 冗談めかしてそう言うと、自然と笑みがこぼれた。
 このちゃんを見ると、このちゃんも笑顔になっていた。
 そうして見つからないように、その場を立ち去った。



side 明日菜


「あ、アスナさん。ネギ先生を見かけませんでしたか?」
「アスナー、ネギ王子見なかった—!?」
「見てないけど……ってネギ王子!?」
「実はネギ君は———(説明中)———(以下略)」

 あっ、頭痛いわ……
 あのネギ坊主何処で何やってるのかしら?
 はぁー……仕方ないわね。
 私しか本当の事知ってるやついないんだし、助けてやるかー。



side 真一


「え゛っ、お見合い……」
「そーなんや、おじーちゃんがお見合い趣味でな。ウチ中2やのにフィアンセとか言って、いつも無理矢理すすめられるんよ」

 あの爺……

「今日はお見合い用の写真撮らされる所やったんけど、しんちゃん来る言うし途中で逃げて来てもーた」
「そうなんだ……じゃあ俺来ない方が良かったのかな?」
「そんなことないっ!!あの時しんちゃんが来る言わんでも、ウチはたぶん逃げとったえ。そやから、しんちゃんは気にせんでええんよ。しんちゃん来てくれて嬉しいんよ」
「あ、ありがと」
「ホントはな……ウチお見合いなんてイヤなんよ。ウチのパートナーは自分で決めたいんよ……・」
「木乃香ちゃん……」
「歳、倍も離れてるおじさんとかより、しんちゃんがパートナーの方がええなー♡」///
「え……・」

 ドキドキ、と心臓の音がうるさい。
 このちゃんに聞こえそうなくらいにうるさい。
 やばいな、絶対に顔真っ赤だよ。

「そや!しんちゃんの将来のパートナーどんなんか占ったげるえ」
「え……占い?」
「うん、ウチ占い研の部長やねん」
「そういやそうだったね。図書館探検部のイメージ強過ぎて忘れてたよ」

 このちゃんの占いかぁー。
 魔力のこともあるし、何か当たりそうだよな。

「ふむふむ、なるほどー」
「どうかな?」
「しんちゃんの将来のパートナーはな……ものすごく近くにいます」
「えっ……」
「その人はこの春休みまでに仲良くなった女の子やな」
「結構いるな……」
「あら、ややなぁ♥ しんちゃん今日までにその子のパンツ見とるえ♥」
「…………(一気に減ったな)」
「んー、そしてその子は黒髪ロングの幼馴染の女の子やな♥」
「…………ん、それってまんま木乃香ちゃんでしょーが!?」
「アハハ、今のは冗談やえ」

 このちゃんは立ち上がり、俺に近づいてきた。

「でもな……ウチ……ホントにそうやったらええと思っとるんよ♥」
「このちゃん……」

 俺たちの距離は近づき……
 そして……






 ゼロにならなかった……


「わあああー!!」
「待ってよ、ネギ王子ー!!」
「わ、私をぜひともパートナーに~っ!!」
「アスナさん、何でみんなと一緒なんですかー!?」
「仕方ないでしょ!何か知らないけどみんな付いて来ちゃったんだからっ!!」
「お嬢さまー!木乃香お嬢さまー」
「あれ、このかさんと真一さん……」

 こいつら……良いところで……。

「アハハ、見つかってもーた」
「そーだね……」

「ネギ王子ー、私と私とー♥」
「わ、私もー……」
「木乃香お嬢さま、今日は逃がしませんよー」
「玉の輿だーっ!!」

 今まで縮まりそうで縮まらなかった俺とこのちゃんの距離……この先それが変わる。喧騒の中、そんな予感を俺は感じていた。
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タチの悪い伝言ゲームだぜ……王子よ……ww

しんちゃん幼馴染の変化に敏感とかマジかっこいい。たまにメタな発言するけどw

このちゃんヒロインまっしぐらwwもうお前ら2人でどっか行けよwww


ナリカ「……何かデジャヴを感じました」

>なおぽんさん

>タチの悪い伝言ゲーム
本当ですよねーw まあ王子ってのは間違いじゃなかったりしますけどねww

当時はメタ発言も面白く感じてたんですけど、最近はそうでもないので、反面教師とか戒め的な意味でメタ発言は敢えてそのまま残しました。

このちゃんがヒロインすぎて、他のキャラが……修学旅行編以降で他のキャラのヒロイン力も高めなきゃな、と考えてますw
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Author:アイン
小説家になろうでも活動中のアインです。趣味で書いた小説をまったり載せていきます。

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