FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第7話「ネギ赴任」

side 真一


 今日は、ついに英雄の息子『ネギ・スプリングフィールド』がこの麻帆良学園都市へとやってくる日だ。今は彼を出迎えに行くため、女子寮の前でこのちゃんと明日菜さんを待っている所だ。
 いつもの二人なら、もうとっくに出てきても良い時間なのだが、二人は一向に出て来ない。迎えに行くなら、時間的にそろそろ出た方が良いのだが……仕方ないな、電話してみるか。

 このちゃんに電話を掛けているのだが、コール音は鳴り続けるだけで出ない……。まだ寝ているのだろうか?
 同室の明日菜さんは早朝にアルバイトをしているから起きてるよな、と期待をしながら今度は明日菜さんへ電話を掛ける。

『ごめん、二度寝しちゃって今起きた所だからもう少し待っててくれない?』
「了解。じゃあ外で待ってますよ」
『ありがと、できるだけ早めに行くからね』

 これは今日は朝から全力ダッシュだな。

 しばらく待っていると女子寮のエントランスから二人が出て来た。

「ごめんな、しんちゃん。こんな日に寝坊してもうて」
「大丈夫だよ。まだダッシュで間に合う時間だし。それより珍しいね、木乃香ちゃんが寝坊するなんて」
「このかってば昨日真一君から電話来てから、ちょっとソワソワしてたんだから」
「もう、アスナ!」
「ごめんごめん」

 少し嬉しい事実を聞けたが、それを言った明日菜さんはこのちゃんに拗ねるように文句を言っていた。
 二人と合流できたが、時間がかなりやばい。二人に声を掛け挨拶もそこそこにして走り出した。
 

「もうちょいスピード上げるよ。二人とも大丈夫?」
「全然へーきよ」
「大丈夫やえ」
「でもさ、学園長の孫娘のアンタが何で新任教師のお迎えまでやんなきゃなんないの?」
「確かに気になるね。爺さんが自分で行けばいいのにな」
「スマンなー。でも、一度引き受けたことやから……」
「このかを責めてる訳じゃないのよ。ただ学園長じじいの友人ならそいつもじじいに決まってるじゃん」
「そうけ? 今日は運命の出会いありって占いに書いてあるえ」

 この顔は、このちゃん何か企んでるな。

「え、マジ!?」
「ほらココ。しかも好きな人の名前を10回言って『ワン』と鳴くと効果ありやて」
「うそっ!?高畑先生高畑先生高畑先生高畑先生高畑先生(以下略)ワンッ!!」
「…………」

 本当に言いやがった!?
 このちゃんも無言だし、周りもビクッとしてるよ。

「あははは、アスナ高畑先生のためなら何でもするわー」
「殺すわよ」
「明日菜さんドンマイ!」
「アンタたち……」
「えーと、次は逆立ちして開脚の上、全力疾走50mして『ニャー』と鳴く……」
「そんなのやる訳ないじゃない!!」

 このちゃんが明日菜さんをからかうように続けるが、流石に引っ掛からなかった。
 でも、ちょっと見たかったって言ったら殺されそうだな……二人に。

「にしてもアスナもしんちゃんも、足速いよねー。ウチはコレなのに」
「俺は鍛えてるからだけど、明日菜さんも思ってたより全然速いね」
「悪かったわね体力バカで」
「いやいや、悪くはないって、むしろ良いことじゃない体力あるのはさ」

 因みにコレというのはローラーブレードだ。
 俺は当然だが、普通にローラーブレードと並走して息も切らしてない明日菜さんはかなり凄いと思う。鍛えたら良い線行きそうな気がする。
 そうやって話していたら、気が付くと隣に並んで走っている子供がいた。


「あのー、あなた失恋の相が出てますよ」



side ネギ


 僕は立派な魔法使いになるための修行として、卒業証書に記されていた“学校の先生”になるために日本に来ました。それで、今は教師として赴任することになった中学校のある麻帆良学園都市への電車に乗っています。

「うわーニッポンは本当に人が多いなー。それに女の人がいっぱいだ」

 周りを見回すと何処を見ても学生服を着た人だらけです。
 それに村にはあまりいなかった女の人が大勢いました。
 ネカネお姉ちゃんにも「女の子には優しくなさいね」って言われたし気をつけなきゃな。
 
「何?あの子」
「外国人、クスクス」
「僕どこ行くの?」
「ここから先は中学・高校だよ?」

 わわわ、話しかけられた。
 何か言わなきゃ。

「いえ、その……ハ、ハハ、ハックション!」

 何か言わなきゃと焦っているとクシャミをしてしまいました。
 そのクシャミで突風を起こしちゃいました……みなさん、すみません。

『次は——麻帆良学園中央駅——』

「じゃあね、坊や♥」
「気を付けてね」

 電車から降りると電車の中とは比較にならないくらい大勢の人がいました。
 これが日本の学校かー。やっぱり僕の通っていた魔法学校とは違うなー。
 さて時間は……

「わ、いけない僕も遅刻する時間だ。初日から遅れたらまずいぞ」


 走り出したはいいけど……何処に行けばいいんだろう?
 確か迎えの人が来てくれるはずなんだけど……
 そうは言っても辺りを見渡しても、それらしい人はいない。仕方ないから生徒の皆さんの流れに乗る様にして走る事にしよう。たぶん大丈夫だよね。
 そう思って走っていると、何やら占いの話をしている生徒さん達がいました。お姉ちゃんも女の子には優しくしなさいっていってたし、僕も占ってあげよう。
 ……よしっ。

「あのー、あなた失恋の相が出てますよ」



side 真一


 いきなり「失恋の相が出てますよ」なんて失礼な奴だな。
 あんな事言われて明日菜さん大丈夫かな……

「え゛……な、し、しつ……って……何だとー! このガキャー!!」

 ああ……何か割と平気そうだな。

「うわああ。い、いえ何か占いの話しが出てたようだったので……」
「どどど、どういうことよ! テキトー言うと承知しないわよ!!」
「かなりドギツい失恋の相が……」
「ちょっとおお~っ」
「なあなあ相手は子供やろー? この子初等部の子と違うん?」
「あたしはね、ガキが大ッキライなのよ」

 明日菜さんは言い放つと同時にこの無神経な少年の頭を鷲掴みにする。それはこの上なく豪快なアイアンクロ―だった。やっぱり、やるなー明日菜さん。

「取・り・消・しなさいよ~!!」
「あ、いや。あわわ」
「坊や、こんな所に何しに来たん? ここは麻帆良学園都市の中でも一番奥の方の女子校エリア……初等部は前の駅やよ」
「そう!つまり子供ガキは入って来ちゃいけないのわかった?」
「は、放してください~」
「そういや、しんちゃんもこんなトコまで来て大丈夫なん?遅刻するえ?」
「ハッ、そうだった。あまりの展開に茫然としてたよ。まあ、もう遅刻は確定だしこの坊主は俺が学園長の所にでも連れてくよ」

 この迷子の坊主を連れて行けば遅刻の言い訳にはなるぞ。学園長じいさんのお墨付きを貰えれば、きっと刀子先生も許してくれるだろう。

「フフッ、迷子届けてたって言って、遅刻取り消して貰う気でしょ?」
「ばれたか」
「ほな、ウチらは用事あるから、坊やはこのお兄ちゃんについていってなー」
「じゃあねボク!!」
「ほら付いてきな坊主」
「いや、あのボクは……」

「いやー、いいんだよ。アスナ君、真一君。お久しぶりでーす。ネギ君!」

 ネギだとっ! こいつがっ、このいきなり無礼千万な発言をした坊主がネギ・スプリングフィールド!!
 確かに冷静に考えてみれば、魔法世界で戦争があった年から逆算すると、この位の歳でも可笑しくないか。

「「おはようございまーす」」
「久しぶりタカミチーッ」
「高畑先生!? おはようござま……!? ……っ。知り合い……!?」

 俺とこのちゃんが声を合わせてタカミチさんへ挨拶するが、明日菜さんは坊主改めネギ先生の「タカミチ」発言に狼狽していた。

「麻帆良学園へようこそ。いい所でしょう?『ネギ先生』」
「え……せ、先生?」
「あ、ハイ。そうです。この度、この学校で英語の教師をやることになりました。ネギ・スプリングフィールドです」

 

「ええーっ! ちょ、ちょっと待ってよ。先生ってどーいうこと!? あんたみたいなガキンチョが、先生ーっ!!」
「「まーまーアスナ(明日菜さん)」」
「いや、彼は頭いいんだ。安心したまえ」
「先生、そんなこと言われても……」
「あと今日から僕に代わって、君達A組の担任になってくれるそうだよ」
「そ、そんなぁ……アタシこんな子イヤです。さっきだってイキナリ失恋……いや、失礼な言葉を私に……」
「いや、でも本当なんですよ」
「本当言うなー」
「君はちょっと黙ってなさい。明日菜さん大丈夫ですか?」
「……うん、ありがとね、真一くん。……あ゛あ゛ー、大体あたしはガキがキライなのよ!あんたみたいに無神経でチビでマメでミジンコで……・」
「ん……は、は、はくちんっ」

 えええーっ!!
 ネギ先生がクシャミをしたと思ったら、明日菜さんの服が吹き飛んだ。自分でも何を言っているのか良く分からないが、それがこの目で見たありのままの事実だというのは間違いない。あと、くまパン……くまパンだった……。

「しんちゃん……見ちゃダメやよ」
「ハ、ハイ。ワカリマシタ」
「キャアアーッ、何よコレェエエーッ」

 このちゃんは凄く良い笑顔だったが、何か危険なオーラを纏っているように感じられた。今のこのちゃんに逆らうと不味いと思い、機械的に返事をしながら回れ右をし、視界から明日菜さんを外す。
 その直後、明日菜さんの悲鳴が耳朶に響いたが、俺には兎に角、明日菜さんを視界に入れない様にすることしか出来なかった。


 それから明日菜さんが持参していたジャージに着替えるのを待って、俺たちは学園長室へと移動した。

「学園長先生!! 一体どーゆーことなんですか!?」
「まあまあ、アスナちゃんや……」

 爺さんはネギ先生の言い分を聞いていた。
 全部わかってるくせに良くやるよな……。

「なるほど、修行のために日本の学校で先生を……そりゃまた大変な課題をもろうたのー」
「は、はい。よろしくお願いします」
「しかし、まずは教育実習とゆーことになるかのう。今日から3月までじゃ……ところでネギ君には彼女はおるのか? どーじゃな? うちの孫娘このかなぞ」

「ややわ、じいちゃん」
「ふざけないでください」

 ナイスコンビネーション! と自分でも絶賛したくなる程の連携攻撃だった。
 このちゃんの方を見るとニコリと微笑んでいた。それは思わず抱きしめたくなる位に可愛い。いきなりそんな事したら変態だからやらないがな。

「ちょっと待ってくださいってば。だ、大体子供が先生なんておかしいじゃないですか!? しかもうちの担任だなんて……」
「ネギ君、この修行は恐らく大変じゃぞ」

 ってスルーかよ!?
 明日菜さんの訴え完全にスルーしやがった!

「ダメだったら故郷に帰らなければならん。二度とチャンスはないがその覚悟はあるのじゃな?」
「は、はいっ!やらせてくださいっ!!」

 それからネギ先生の指導教員のしずな先生が入って来て、ラッキースケベを発動させたネギ先生はしずな先生の胸に埋もれていた。
 う、羨ましいなんて思ってないんだからな。少し黒いオーラを感じるが気のせいだと思いたい。

「そうそう、もう一つ……このか、アスナちゃん……しばらくはネギ君をお前達の部屋に泊めて貰えんかの?」

 これか、これだったのか。
 昨日のよくわからない不安の正体はコレだったのかっ!!

「「反対ーっ!!」」「ええよ」

ちょ、このちゃん……

「もうっ、何から何までっ! 学園長ーっ!!」
「アスナ……かわえーよ、この子」
「ガキはキライなんだってば!」
「こ、このちゃん何言ってるん?そのガキに何されるかわからんよ!?」
「あー、しんちゃんに昔の呼ばれ方されたん久しぶりやわー♡。嬉しいえ。いつもそう呼んでくれたらええのに♪」
「あっ、んんっ、と・に・か・く俺は反対です!!」
「じゃがのー、今は他に空き部屋がないんじゃよ。じゃから仕方ないのじゃよ。アスナちゃん、真一君……ネギ君と仲良くしてくれんかの?」
「しんちゃんは心配しすぎやよー。こんなかわえー子やし、大丈夫やって。アスナもしばらくの間って話やし、ウチらの部屋においてあげよーや」
「…………仕方ないわね」
「明日菜さんも認めるなら反論しても無駄か……」
「それじゃ、決まりやね」

 というかさっきはくまパンで頭一杯だったから流しちゃったけど……この子、クシャミで服吹き飛ばしてたな。大丈夫なのか? 魔法秘匿とかは……。


 その場は解散となり、俺は男子校方面へと戻って来ていた。
 というか、まだ何か忘れてるような気がするがなんだろうか? 気のせいかな……。そう思いながら教室の扉を開ける。

「おはよう真一……いい度胸ね……HRホームルームどころか私の授業まで遅刻してくるとはね……」
「ひぃいいっ!?」

 これかー!!
 そうして今日も騒がしい一日が始まった。



side 刹那


 お嬢様と神楽坂さん遅いな……何かあったのだろうか?
 そう思っていると、お嬢様と神楽坂さんの二人が入ってきた。良かった、如何やら何も無かったようだな。

「今日、新任の先生来るってよー」
「新任美形だといいけど」

 真一さんや高畑先生の言っていた人が来るのか……
 高畑先生の話では優秀な西洋魔術師らしいが、どんな人だろうか?

「失礼しま…………」

 あっ、誰が仕掛けたのか、いつの間にか扉に黒板消しトラップ仕掛けられてる。
 それに気付く様子もなく無造作に開け放たれ、抑えの無くなった黒板消しが落ちていった……って止まってますよっ!?
 魔法障壁!? 

「ゲホゲホ……いやー、なるほど……ゲホ……ひっかかっちゃたなー、ゴホッ……へぶ!? あぼ、あああああああ!! ぎゃふんっ」

 うわー……魔法障壁を解いて、黒板消しを喰らったと思ったら、トラップに全部引っ掛かりましたよ。
 ロープに足をとられ転び、上から落ちてきたバケツを頭に喰らい、転んだ勢いそのままで弓を全部喰らって、教卓に突っ込んだ。
 ある意味、神業と言えるほどの引っ掛かり方だ。大丈夫なのか……この先生で…………



side 明日菜


 今一瞬、黒板消しが空中で止まっていたような気がする。

「えーっ、子供!?」
「君、大丈夫!?」
「ゴメン、てっきり新任の先生かと思って……」
「いいえ、その子があなた達の新しい先生よ。さ、自己紹介してもらおうかしら……ネギ君」
「はい……ええと、あ、あの……ボク、今日からこの学校でまほ……英語を教えることになりました。ネギ・スプリングフィールドです。3学期の間だけですけど、よろしくお願いします」

『キャアアアア、かわいいい~っ』


 クラスのみんなは騒いでるけど、私は気になる。
 さっきのは絶対に可笑しかった。
 そう思って、あのガキの方へと近づき疑問をぶつける。

「ねえ、あんた……さっき黒板消しに何かしなかった? 何かおかしくない? あんた……?」
「えっ……」
「キッチリ説明しなさいよー」



side 刹那


 神楽坂さんも気付いていたんだな。
 他のメンバーはその後の神業で誤魔化されているようだな。
 まあ、分かってて黙っている奴もいるけどみたいだが。

 神楽坂さんと雪広さんが喧嘩を始めたけど、これもいつものことだ。いつもの事と思える位には、私もこのクラスに馴染んでいるのかも知れない。

「はいはい、みんな時間も押してるし授業しますよー。ネギ先生お願いします」

 やっと授業が始まった。
 この先どうなるんだろうか?



side 明日菜


 あいつ……絶対怪しいわ、何かある。
 確かめて追い出してやる……!
 消しゴムを千切って、良く狙いを付けて放つ。

「よし……」
「あいた」

 あれ、当たった。

「何やっとるんアスナ?」
「これなら……」
「いたっ、あいたっ」

 次弾はゴムの反動を使って狙い撃つ。勢い良く飛んでいった消しゴムは、また普通に直撃した。可笑しいわね。
 てゆうか、いんちょの奴、全部聞こえてるのよ。誰が「粗暴で乱暴者な問題児」よっ。気付くとついいつもの癖で筆箱を投げていた。

 その後いんちょとまた喧嘩になったけどいつものことだ。筆箱を投げたのは悪かったけど、いいんちょが私の悪口を言ったのも悪いんだからね。
 でも、結局アイツのことは何もわからなかったな。
 やっぱり何でもなかったのかな?

 疑問に思いつつも、私は何もわからず時間だけが過ぎ、そして放課後になった。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

今日の一言。


逆立ちで開脚はやばいwwww
このちゃんまじ乙女w

>なおぽんさん

スカートでやるのもそうですが、逆立ち開脚自体ホントやばいですよw
普通に暮らしてたら、まずやらないでしょうけどねww

このかは本当可愛いですよ。
やっぱネギまのキャラだと一番好きです。

改めて読まさせて頂いております。
新しく直された所など、発見が多々あって、とても面白いです。

>コージーさん

コメントありがとうございます。

改めて読んでみると描写不足な部分が見えてきたので、ある程度加筆修正しながら投稿しています。

普通に書くよりも加筆の方が神経使うので時間かかってしまいますが、ゆっくりでも確実に更新していこうと思います。
PV
来客数
プロフィール

アイン

Author:アイン
小説家になろうでも活動中のアインです。趣味で書いた小説をまったり載せていきます。

よろしくお願いします。

最新記事
カテゴリ

openclose

フリーエリア
「創刻のアテリアル」応援中!
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
検索フォーム
最新トラックバック
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。