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第6話「対話とそれからの二ヶ月」

side エヴァンジェリン


「エヴァンジェリンさん……貴方は燃える様な紅い髪で炎の魔法を使う『吸血鬼の真祖ハイ・デイライトウォーカー』とその従者を知っていますか?」

 やはり聞きたいこというのはそのことだったか。

「ああ、知っているよ。初めに言っておくが奴らが今どこに居るかはわからんぞ」
「構いません。エヴァンジェリンさんは五年前のことを知っているんですよね?」
「ああ、貴様の師匠の詠春から聞いているよ」
「これは師匠にも母さんにも伝えてないことですが、奴らは去り際に俺と刹那に言ったんです。『運命は必ず私たちを巡り合わせる。その時は眷属にしてあげる』と、よくわかりませんが確信めいた口ぶりで適当な事を言ってるように思えなくて」
「それは恐らく奴の能力の一つ、予知に近い直感能力だろうな。お前らに何か感じるものでもあったんだろ」
「そういうことですか。なら尚更いずれまた出会うかもしれない敵の事を知っておきたいんです」

 ふむ、意外に冷静だな。
 父親を目の前で殺されたと聞いていたのだがな。少し突いてみるか。

「ずいぶん冷静だな。もっと恨みに囚われた復讐者かと思っていたぞ」
「あの事件の直後はそうでした。奴らをこの手で殺したくて力を求めていました。だけど刹那や母さんたちのおかげで俺は変われた……その闇に囚われた心を克服できたんです」
「そうか、わかったよ。約束だし、ちゃんと教えてやるよ」
「ありがとうございます」
「一度しか言わないからな。真祖の方はクリスティーナ・フォン・ヴァルトシュタイン。従者の方はその眷属でクラウス・ハイドフェルト。こいつらは対価次第で殺しだろうが、盗みだろうが請け負う何でも屋だ」


 ただの復讐者なら面倒だし話したらすぐ帰らせるつもりだったが……詠春にも頼まれてるしなぁ。
 ええいっ、報酬の京菓子の誘惑に負けたわけじゃないからな。本当だぞ。



side 真一


「真一、貴様は氷の魔力しか使えないのか?」
「え、ええと制御できるのはそうです。あとは光と雷も適正があるとは言われてるんですけど、制御できないんで戦闘では封印してます」
「見せてみろ」
「ここでですか? たぶん暴発しますよ」
「かまわん、ここにいるメンバーなら死にはしないだろ」
「屋根とか吹き飛んでも知りませんよ!! 雷よ我が手に力を」
「は!? 待て家を壊され……」
「はああぁぁ……あっ」

 やっぱり暴発したか……。
 テーブルが掻き消えただけだし良しとしよう。

「いいわけあるかぁー!!」
「心を読まないでくださいよ」
「大体貴様は……(以下略)」
「真一さん、また派手にやりましたね」
「マスター落ち着いてください。私は新しいテーブルを注文しておきます」
「ハァハァ、ああ頼む。おい真一、光の魔力も似たようなものか?」
「そうですけど、使ってみましょうか?」
「もう大体分かったからいらん。どうやら氷よりも光と雷の方が相性がいいらしいな」
「確かに威力はあるんですけどね、この精度じゃ使い物になりませんよ」
「私は貴様が望むなら鍛えてやってくれと詠春から頼まれているがどうする?やる、やらないは貴様の自由だ」

 どうしようか?
 いや……もう決まってるのか。
 これから先『英雄の息子』もこの学園都市に来るんだ。
 何が起こるかわからない。
 何か有った時に必要な力がなければ守りたい者も守れないんだ。
 戦闘能力だけじゃ駄目なこともあるだろうけど…・
 今は大切な人達を守るための力が欲しい。

「エヴァンジェリンさん、よろしくお願いします!!」
「アハハハハハハハッ、よかろう…ならば我が弟子として私が直々に鍛えてやろう!!我が配下に連なる化け物モンスターにふさわしい立派な戦士……悪の中ボスにな!!!」
「エッ!?」
「尚、修行中の貴様の服は常に黒の燕尾服に蝶ネクタイとする!!!」
「何でさっ!!!」
「うるさい師匠命令だ」
「真一さん、似合うと思いますよ(想像中)」
「刹那までっ! 茶々丸さんは反対ですよね!?」
「私も似合うと思います」
「3対1だ、決定だな。では準備もあるから明日から始めるぞ」

 こうして俺はエヴァンジェリンさんの弟子となった。
 余談だが刹那も偶に参加するわけだがその時の服装はメイド服という事になり、反論していたが「うるさい授業料だ!!」とバッサリ切られていた。
 刹那のメイド服姿はすごく似合っていて可愛かったな。



side 刹那


 次の日、私は再び真一さんとエヴァンジェリンさんの家を訪れていた。

「入れ、こっちだ」

 地下室?
 地下でどんな修行をするのだろうか?
 真一さんが魔力制御に失敗したら生き埋めになるんじゃないか。

「これの前に立て」
「「はい」」

 球の前に立つと足元に魔法陣が浮かび上がり、私たちは転移していた。

「ここはダイオラマ魔法球の中の私の別荘だ」
「へえ、此処あの球の中なんですか?」
「そうだ。此処での1日は外での1時間に相当する。あと入ったら24時間は出られないから覚悟しておけよ」

 つまり此処では通常空間の24倍の効率で修行できるというわけか。

「言い忘れたが女にはあまり勧めないぞ。歳を取るからな」
「え!?」
「何だ刹那、文句があるのか?」
「いえ、そういうわけでは…」
「なあに、まだ若いんだし1日くらいじゃどうにもならんさ。始めるぞ、刹那はアッチで茶々丸達と組手でもしていろ」
「達? ですか」
「まあ行けばわかる」

 真一さんと別れて、茶々丸さんと指示された方に向かうと、小さな人形が動いているのが見えた。人形使いドール・マスターの能力で動いているのだろうか?

「ケケケケ、オ前ガ刹那カ? 遊ンデヤルゼ」
「人形!? いえ、エヴァンジェリンさんの従者ですか」
「ご紹介します。彼女は私の姉に当たるチャチャゼロ姉さんです」
「ヨロシクナ」
「よろしくお願いします」

 私は、もっと強くならなくてはと思いながら二人と組手を始めた。



side エヴァンジェリン


「真一、お前はとにかく魔力制御だ。一応基礎くらいは習ってるんだろ?」
「はい、剣術の補助程度の呪術に、抵抗レジストくらいですけど」
「よし、それじゃ障壁を教えてやる。気を使う剣士でも覚えておいて損はない」
「はい」

 まずは魔力の扱う事に慣れさせよう。
 此奴は気と魔力を併用する能力に長けている。
 光と雷の魔力が使えるようになれば、それだけでもかなりの戦力アップに繋がる筈だ。
 そしてゆくゆくは『気と魔力の合一シュンタクシス・アンティケイメノイン』を……。
 ――究極技法アルテマ・アート『咸卦法』を習得させてやるぞ。
 フハハハハハッ!



side 真一


 俺の修行の日々が始まった。
 平日は、ほぼ毎日二時間つまり二日分の修行を行い、休日は三時間つまり三日分の修行をしていた。
 ちなみに冬休みは休日プランだった。

 そうして二ヶ月が経った。
 この二ヶ月は12月、1月ということもあって、修行以外にも様々な出来事があった。
 まずはクリスマスは、このちゃんの部屋でのクリスマスパーティーに誘われた。
 初めは少人数でのパーティーだったはずなのだが、途中から参加者が増え宴会とかしていた。
 最終的には寮に残っている女子2−Aメンバーがほとんど集まり、俺は超アウェー気分だったけど、基本的に気さくでノリのいい人たちなので、すぐに打ち解けることができた。
 まあ、男一人だったからすげー弄られまくったけどな。
 宴会は朝まで続き、次の日に自分の部屋に戻ろうと外に出たら見覚えのある三人が対侵入者用のトラップらしき物に引っ掛かってギャーギャー騒いでいるのに遭遇した。
 しかたないので、次は連れて行く約束をして宥めて、寮へと連れ帰った。

 正月はみんなで初詣に龍宮神社に行った。
 今回は三バカデルタフォースも一緒だったが騒ぎすぎて巫女服を着た龍宮さんに沈められていた。

 それから新学期が始まって、ちうさんにも会うことができた。
 その時の様子は。

◆◆ ◆◆ ◆◆ ◆◆

「長谷川千雨だ。よろしくな」
「青山真一です。こちらこそよろしく」

 千雨さんと対面したとき、既視感デジャビュに襲われていた。

「何だよ? 私の顔に何か付いてるか」
「いや、そうじゃないんだけど、何か何処かで見たことある様な気がして」
「気の所為だろ。ネット以外で会うのは初めてのはずだしな」
「うーん、そうなんだけど……あっ!!」
「どうした?」

 千雨さんの顔を良く見ていると、蒼髪達が見ていたネットアイドルの『ちう』のホームページの存在に思い至った。そこで、携帯でそのページを開いて千雨さんに見せてみた。

「これです」
「…………」

 ホームページを見せると、千雨さんは見るからに狼狽して青ざめていた。怪し過ぎる。失礼だとは思うがメガネの無い顔を見たい衝動のままに千雨さんのメガネへと手を掛ける。

「ちょっと失礼します。……って、アァァッー!?」
「終わりだ……」
「千雨さんって、このちうさんと同一人物だったんですね」
「お前なんでこのページのこと知ってるんだよ?」
「うちのクラスでも話題になってましたから」
「そうなんだ。嬉しいけどお前には知られたくなかったな。頼む他の人には黙っててくれ」
「いいですよ」
「うん、そうだよな……。って、即答かよっ!!」
「千雨さんとは友達ですからね。頼まれなくても黙ってるつもりでしたよ」
「ありがとな! ああ、真一は思ってた通りのいい奴で良かった」
「ありがとうございます。でもそれ伊達眼鏡だよね? 俺は眼鏡かけてない方が可愛いと思うよ」
「な……何言ってんだよ。バーカ」

◆◆ ◆◆ ◆◆ ◆◆

 という感じだった。



 そして今日は『英雄の息子』の赴任前日だ。


「『エクスキューショナー・ソードエンシス・エクセクエンス』」
「神鳴流決戦奥義 真・雷光剣!!!」

 断罪の剣と強力な電撃を帯びた剣が激突した。冷気と相転移の波動と広範囲に亘る電撃の波動は数秒間拮抗し、両者とも掻き消えた。

「フン、まあこんな所だろ。最後の一撃を通常の神鳴流で受けたのは気に入らんがな」
「ありがとうございました」
「いいか、確かに貴様は魔力の制御もうまくなったし、私達三人掛かりでの組手にも対応できるようになってきたが、まだまだ悪の中ボスへの道は始まったばかりだからな。これからもしっかり励めよ」
「はい、今後も御指導よろしくお願いします」
「よしっ、今日の稽古は終わりだ。……明日から気を付けろよ」


 俺はエヴァンジェリンさんの家を出て帰路についた。
 明日はついに『英雄の息子』ネギ・スプリングフィールドが赴任する日だ。
 明日の朝、このちゃんと明日菜さんが駅まで迎えに行くことになっているらしいんだが……何となく心配だ。

 よし俺もついて行こう。
 そう思い、携帯を手に取りこのちゃんへと電話を掛けた。
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No title

刹那のメイド服姿と聞いて(じゅるり。

エヴァンジェリンのとこで数ヶ月も修行したら嫌でも強くなるよなー、なんて思ったり。スパルタ的な意味でw
彼女の好感度が一定以上だと修行中にちょっとしたことで赤面してくれたりするんだろうかw

そしてやっぱり真一ェ……ww麻帆良の自称☆常識人、ちうたんが落ちてまうがなww

次話ではネギきゅんが木乃香を脱がしてくれると願って!!(何

>なおぽんさん

刹那のメイド姿は良い物ですwww

まあ強くはなるでしょうね。それでもネギが闇の魔法を覚えたときみたいな急成長はないですけどね。
好感度が高いと指フェr……もとい血液採取がありますよwww

か、彼は天然なんですww悪気はないんですwww

>ネギきゅんが木乃香
断固阻止ですww
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小説家になろうでも活動中のアインです。趣味で書いた小説をまったり載せていきます。

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